傘福とは、酒田周辺に於いて江戸時代後期頃から庶民の切なる願いをこめ、 小さな飾り物を傘先に吊るし、幕を張り、神社仏閣に奉納祈願したものでありました。
豪商風間家の二段一対の傘福には、金らん・錦で出来た縁起物の宝袋・軍配が飾られ、欄干を覆う幔幕には、丸に二重三菱の家紋が金糸で刺繍されており、ひなの時には両脇に飾られたと思われます。
酒田祭りにおいて毎年市内をくねります山車のひとつ本間家の亀傘鉾は、 傘に縁起物を吊るしており、これに傘福の歴史の根源をみるとこができます。
その歴史伝統をつなぎ、よみがえらせるため、酒田商工会議所女性会は二十五周年記念事業として平成十七年に復興にとりくみました。
九州柳川のさげもん・伊豆稲取のつるし飾り・酒田の傘福と三大吊るし飾りとして全国的にも知れわたり地域の発展の原動力となっております。